『素晴らしい』
精神科医としても受験指南書の著者としても有名な和田さんが、時間の使い方を説いた一冊。時間使いは投資と同じなので、時間をお金に換算する癖をつけ、自分の「時給」を把握し、いかに自分の「時給」を高くするかに専念する。ただし実施の時間ではなく実施結果で評価される。
テクニックとしては他人の感心することはすぐに真似をする。ビフォア8(早朝)は能率が上がる。時間の読めるものは利用しつくし、読めないものは可能な限り近寄らない。時間の「家計簿」をつけ、ときどき決算(見直す)などが紹介されている。
和田さんの人生観のようなものも含まれている。「打算でなく素直さが得をする」「失敗はゼロではなく、次につながれば無駄ではない」や「基礎固めに時間とお金をかければ、より良いやり方が見えてくる」など。また「自分の心への気遣いを忘れない」「80%でOK」という精神科医らしい一節もある(うつ病が疑われる患者に「頑張れ」は禁句->「80%で十分では?」がキーセンテンスとしてよく利用される)。
いわゆるタイム・マネジメントの書籍は多いが、類書とは一線をかくすほど内容の充実した一冊。持っていて損はないと思う。
海竜社 エ1,470円