『優しい気持ちになれるお話』
このお話の優しさは他の方のレビューにお譲りするとしましょう。優しい気持ちになれるお話です。
「半パン・デイズ」を読了した後に、嫁さんが図書館から借りてきてくれたのを速攻で読みました。
「半パン・デイズ」が転校しなかった場合の、著者の仮想自伝。それに対して本作は、仮想じゃない自伝。それぞれのエピソード、登場人物などの対応関係を想像しながら読むことが本当に楽しかった。
両作の登場人物たちがさらに立体的に起き上がってきました。本作の方が、著者とメッセージをあてた読者に向けたものであるため、すこしだけおセンチな主人公かなという感じがします。その一方で、こういった経験を持ち、心象風景を持った著者だからこそ、この両作を書くことが出来たのだろうと想像することが出来ます。
重松作品を、もっと読もうと思いました。
新潮社 エ1,365円