『物足りない・・』
すごい先生方が名前を連ねているのに、
なんだか地味な装丁だなぁというのが、
この本を手に取った第一印象です。
でもその理由が、読み始めてすぐに分かりました。
すべて”午前零時”がキーワードになっている、
画期的な短編集ではありますが、
「夜中=ホラー」の、安易な公式が成り立っているのは残念でした。
素人でも一番に思いつくジャンルですから、
もう少しひねった作品が読みたかったです。
私が一番興味を引かれたのは、
近藤史恵さんの「箱の部屋」です。
主人公の生活の様子がリアルで、共感できました。
他の作品にない、明るい終わり方も良かったです。
それから、高野和明さん、貫井徳郎さんの2作品が、
ネット配信と言うことで力を抜いているのか、
冒険している感じが伝わってきて、面白く読めました。
新潮社 エ1,365円