『意味がわかりません』
各章ごとに、登場人物の一人の視線で展開する緊張感のあるストーリーがとてもいい。しかし、ちょいちょい出てくる映画かなんかの引用文はかなりうざったく感じられた。そして、各章で展開しているストーリーは矛盾している。これら各章で矛盾したストーリーたちをどのように収束させていくのか?各章のストーリーが魅力的なだけに、最終章への期待が大きかったのだが・・・。
映画の話とリンクさせているのだろうが、到底納得できない終わり方だ。何も収束していない、散らかしっぱなしの印象。混乱したままで終わるのもいいかなと思われる方にはいいかも知れません。
文藝春秋 エ620円