『文句なく引き込まれるお話』
最初は短編集のような構成でいながら、段々と謎が謎を読んできます。
途中江戸時代にいるのを忘れるほど、どっぷりワールドに浸れます。
主人公はいい加減さも持つけど、人として大事な部分はきちんと持っていて、
その人から見る様々な登場人物が、よくも悪くも巧みに描かれています。
私は特殊技能を持つ二人の子供が気に入りました。
宮部さんの本を読んでいると、はっとする程印象的な言葉に必ずぶち当たります。
えぐい程きめ細かい心理考察と、でも、最後に人間への温かさを忘れない眼差しが、
著者の本を読みたくなる所以ですね。
他の時代物ともリンクする人物の登場にニヤリとしました。
お勧めです!
講談社 エ620円