『心地の良い読後感』沖縄を舞台に途中までは不可解で、ギャグ小説かとも思ってしまう。本書では「ことぶき?」などはその最たるものだろう。それでいてその設定の中で最後にはすべてが氷解して「ああ、よかった」というのが、この著者のパターンであり、だから好き。 本書もこのパターンを踏襲していて、どのように展開していくのか、読者の方が心配したくらいでしたが、しっかりとまとめられ、心地の良い読後感を提供してくれます。 文藝春秋 エ690円