『本当なら日本の被爆者へのレクイエムになる?』 本書は原爆開発にまつわる秘密プロジェクトと言う閉鎖空間で発生した殺人事件をそのテーマとする。オッペンハイマーやフェルミなど、有名人が登場するが、特にフェルミは特徴的な行動が多いことで有名な人だったので、その描き方が読んでいて微笑を誘う。
殺人事件はその原爆の開発と投下に深く関係する。そしてもし実際にここに描かれている事件が起こっていたなら、それは我々日本人への、そして被爆してなくなった方々へのレクイエムになると言えよう。 新潮社 エ円