『シートン先生がかっこいいっ♪』
『シートン動物記』のシートンが主人公。
新聞記者の「わたし」が80歳を過ぎたシートン先生のもとに行き、シートンが過去に体験し謎を解いた不思議な事件を話して聞かせる。
もちろんすべての話に動物たちが関わっている。
この前に読んだ『贋作『坊ちゃん』殺人事件』とは、うってかわった文体。
もちろん前回のは漱石の『坊ちゃん』ぽい文体で、今回は『シートン動物記』らしい文体にしてあるのだと思う。
でも『シートン動物記』を読んだのははるか昔の話なので文体はおろか、内容だってろくに憶えてないけど。
原作は憶えていないけど、この本に出てくるシートン先生はとっても魅力的。
知性があふれ柔らかな物腰、自然とそこに生きる野生動物を愛するその姿はかっこいいのひと言だ。
謎解きも、若き日のシートンがまるでシャーロックホームズのような名推理をみせるが、ストーリーはどれも動物たちがからんでいて、しっかりと「シートン」している。
なかなか楽しかったです。
この人の他の作品も読んでみようと思わせてくれました。
光文社 エ円