『天童荒太の原点にして最高傑作』基本的にはサイコスリラーなのだが、根底には現代社会の抱える問題「家庭」という小単位のなかでおこる虐待、暴力など種々な問題が扱われている。寡作な作家で、古い作品のリメイクなのだが、1月置きの発行がとても待ち遠しかった。いま、一気に読むことができる読者がうらやましく思える。今度はいつ彼の新作に出会えるのだろうか。 新潮社 エ500円