[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
『最後には、救いがある。』
最後には、
救いがある。
光に満ちた希望がある。
このラストをそう読んでいいのかわからないけど、
僕はそう思った。
ここ数年、
“最後の闘争の単位は家族だ”
ということが言われている。
それにはある程度説得力があると思って来た。
しかし、
その言葉を口に出して言うと、
何がしかの苦さというか、
違和感を感じてもいた。
そう思う部分がありながらも、
そのことを疑っていた。
この小説には、
“家族”の問題が書かれている。
確かに、“無償の愛”というものが存在しうる、
最も納得のいく集合体ではある。
しかし作者は、
全肯定でも、全否定でもない。
ただ、
そこに生きる人を書くこと。
そういう小説だと思った。
最後に思う。
“最後の闘争の単位は、一人だと”。
孤独への恐怖を知ったものが、
それを乗り越えられる。
だから、
人を信じられるんだと、思う。
新潮社 700円