『あえて言わせてもらうが』
桜庭一樹の小説は何冊か読んでいて、どれも面白い部類には入ると思う。
この作品も第一章から引きずりこまれるように読んでしまい、面白いといえるものではあった。
しかし、はっきりいってそれだけである。
独特の世界観を押しつけられただけのような気もした。
それに桜庭一樹の小説はどれも似通っていて、読んでいて憂鬱になるときがある。同じ人が書いている小説とは似るものであるとは分かっているが、似すぎではないだろうか。
これでは、この作品を読んで良かったとは思えない。
面白いが、読んでも読まなくてもいいような作品であったのが残念である。
新潮社 エ1,470円