『麦の海に続く続編としては・・・・・』
「麦の海に沈む果実」の幻惑的な世界観に魅せられて、その続編として期待した本書でしたが、その香りは微塵もありませんでした。
麦の海?が青の丘を舞台とする幻想的なミステリーとするなら、本書は現実的で、また麦の海?に出てきたような魅力ある人物達もあまり登場しません。
もし麦の海?の世界観を求めてこの作品を読もうと思われるなら、読まない方がいいです。
また、麦の海?を読んでない方は、人物関係が非常に分かりずらいと思うので、そちらを読んでからをお勧め致します。
麦の海?を読まれた方は、そちらの世界観とは切り離して読める方には静かに進んでいくミステリーとしていいのかもしれません。
講談社 エ1,785円