『やっぱり僕は「跳べない」』 恩田陸さんの初期の作品。「月の裏側」のように、隣に居る人がある日突然変わってしまう、地方都市の日常に泡のように現れる「怖さ」を描いています。 全体的に魅力のある設定と、引き込まれる導入部。恩田陸さんの作品らしく、ついつい読み進めてしまうのですが、気がつくと……取り残されてしまいます。どうしても「跳べない」んですよね。 読者に優しくない……というのは言い過ぎかもしれませんがちょっと消化不良。 新潮社 エ540円