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『矢口順一最新刊!』
遂に最終刊です。収録は「いてもたっても」「女流作家」「イン・ザ・プール」の3話。
作画の矢口順一氏については、おそらく知らない方が大半でしょう。かつて「谷口トモオ」名義も用いて、奇妙な味の読み切り連作を少女ホラー誌やマイナーエロ漫画誌に連載していた漫画家です。
どす黒いユーモアセンス、パンキッシュなパロディ精神、体温の低いスプラッタ描写などが氏の持ち味なのですが、原作にかなり忠実だった前2巻と比べ、原作をアレンジした部分が大きい第3巻では、矢口テイストをより楽しめます。「女流作家編」の星山先生の新作風スゴスギ。
矢口ファンの私からすれば、原作付作品ではまだまだ満足できないので星4つ評価ですが、そんな事は知らなくても十分面白い。原作も「感動」に傾きそうになるところをぐっと踏み堪えて「…な?んてね」と照れ笑いしてみせるようなスタンスが魅力だったのですが、そんな部分が矢口氏の作風と巧く噛みあうっちゅうかなんちゅうか。
しかし、トーンを一切使わない精緻な描き込み(ストーリーの流れ上「女流作家編」のみ一部貼ってます)と圧倒的な画力は相変わらず凄まじい。惜しむらくは、矢口氏の画風が現在の漫画界の潮流のどこにも属していない事か。
なんとかブレイクして欲しい!!
※すれっからしの読者へ
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秋田書店 540円