『タイトルも含めて見事な「人間の再生」を描いた作品』
上下巻読み終えて、すがすがしい気分になりました。
輝氏の作品の中では、青が散るや春の夢などの男性が主人公の
作品が多い中で、珍しい若い女性の物語です。
しかし、単なる青春恋愛ものに終始せず、まさに人生という
長い、大きな視点で物事をとらえた描写が素晴らしい作品です。
最後も、終わるのではなく、新たなドラマが始まるような結末で、
それもすがすがしく、読めました。
最近少しクドメの作品が多い中で、この作品は純粋に(輝氏の説明文
がないのに風景描写が浮かぶという)文学的な作品で、読んで損は
ない作品です!
講談社 エ520円