『それでも人は生きるのです』 作者の中学、高校時代に読書した本の中から選ばれた32冊の本と、その本にまつわるエピソードについて書かれてある。単なる読書案内と違い、短篇小説を読んだような読後感を覚えるのは、そこから、必死に生きようと足掻いている少年の姿が浮かんでくるからだ。 この中の一冊を読んでみようと思うのは、きっと、押入の中で小説を読んでいる少年の心の内を覗いてみたい思いにかられるからだと思う。 文藝春秋 エ540円