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魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)



『「同人(ブログ)作家」必読の書。あなたは魂がふるえるか?』
1 玉、砕ける   開高 健
  * 「玉」とは、垢すりでできた垢の玉。

2 太市      水上 勉
  * 学校に来られなくなった太市は家で女郎蜘蛛を飼っていた。

3 不意の出来事  吉行淳之介
  * 密通がヤクザの情夫にバレて強請られるが……、とんちんかんな顛末。

4 片腕      川端康成
  * 女が自分の片腕をはずして男に与える。村上春樹の世界だなこりゃ。

5 蜜柑      永井龍男
  * 別れ話をした帰り道、オート三輪車が横転して道路に蜜柑が散乱していた。

6 鶴のいた庭   堀田善衛
  * かつて栄華を誇った廻船問屋が、屋敷の庭でつがいの鶴を飼っていた。

7 サアカスの馬  安岡章太郎
  * 老いぼれ役立たずと思っていた馬が、サーカスの花形だと知ったときの驚き。

8 人妻      井上 靖
  * 自分の子に接する別人のような人妻の横顔を見て、若者からツキ物がおちる。

9 もの喰う女   武田泰淳
  * ムシャムシャという感じではなくて、いつのまにかスーッと消えてしまった風。

10 虫のいろいろ  尾崎一雄
  * 瓶の中に蜘蛛を閉じこめて半年。センをとった時、間髪を容れず、脱出した。

11 幻談      幸田露伴
  * 舟で魚釣りに出て、浮き沈みする釣竿を引き上げると死体が竿を握っていて離さない。

12 ひかげの花   永井荷風
  三十代の初めに再読したとき、最後の、塚山に届いたおたみからの手紙で、あの時代に娼婦として生きる女の考え方や、世の処し方に、なんだか呆気なく突き放された気持ちになり、この小説の凄さを知った。(「あとがきにかえて」)

13 有難う     川端康成
  * 定期乗合自動車の運転手が避けてくれた大八車など皆に「有難う」と言い続ける。

14 忘れ得ぬ人々  國木田独歩
  * 磯を漁つてゐる男、馬子唄をうたう壮漢、琵琶僧らを情景豊かに思い出す。

15 わかれ道    樋口一葉
  * 誰からも慕われる仕事屋のお京が、妾となって長屋を出て行くのを止める男。

16 外科室     泉 鏡花
  * 手術を受ける伯爵夫人が、うわごとを聞かれたくないから麻酔なしでやれという。
文藝春秋 570円

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魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)

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