『わかりやすさ重視』
ミステリーファンと時代小説ファンの両方を狙った作品、という印象。
宮部みゆきの本が好きな人ならばある程度は楽しめるのだろうが、時代小説として読むならば間が足りない。
動きや演出などの心情表現が大袈裟でコミカルに見えるため、情緒を求める時代小説ファンに勧めるのは躊躇する。
わかりやすく合理的ではあるから、誰でもある程度は楽しむことができるだろう。
『敵討ち』『お墓の下まで』『てんびんばかり』『砂村新田』は面白かった。短編集の後ろへ行くほど面白い本というのも珍しい。
新潮社 エ500円