『表紙のイラストもなるほどです。』
実は歌舞伎好きの私には、柿色・萌葱・黒3色の定式幕に目次が、演目として書かれているだけで完全に、はまってしまいました。
「おまはん、6月から兎一郎とくみえ」突然の銀太夫のせりふで始まる1番出し物の三番叟から、それぞれのキャラクターがとてもとても個性的でどんどん魅かれていきます。
文楽を心底愛して邁進する健くんとその周囲の人々すべてが愛しく思えるようになる本編中ごろには、演目も大分進んでいき文楽そのものの世界へ興味が行くよう、上手く演目役どころの解釈がされています。
表紙のイラストが、とってもかわいらしいので若い子用の本かしらーと思わずにページを開けば、少々若くない私達年齢にも、十分以上に楽しめるお勧め本です。
双葉社 エ1,575円