『久々に熱くなりました』
箱根駅伝が大好きなので手にとった本です。
本当に出会えてよかったと思える作品です。
私が通っていた大学は関東にあり、何度も箱根駅伝に出場しています。
大学四年の最後の年、箱根駅伝の予選会。駅伝部の友人が何名か最後の出場をかけて、寛政大学の面々と同じように昭和記念公園を駆けました。
結果は数秒差で出場権を逃しました。走った中のたった一人でもいいから、数歩分前に出ていれば出場できたのです。
みんながどれだけ頑張ったか分かっているはずなのに、「ニ歩か三歩くらい速く走れたのでは・・・」と思ってしまった自分がいました。
そして、走った全員が、「俺があと一歩速くゴールしていれば」と自分を責めていました。
でも、この本を読んで心から思いました。
箱根という場所へ行くのに、その数秒を縮めるということがいかに難しいことなのか。その数秒は、とても重く高い壁なのだと。「たかが一歩分」では決してないんだと。
この本を読む時期がもう少し早かったなら、うなだれて自分を責める駅伝部の友人たちにもっとうまい言葉を掛けてあげれたのにな、と思いました。
本当にいい本です。
ぜひ、読んでみてください。
新潮社 エ1,890円