『うっとりとツッコミの絶妙な塩梅』
ハーレクイン風ヒストリカル・ロマンスと、現代的な恋愛が、同時に並行して楽しめる。
まさに、一粒で二度美味しい、贅沢!
主人公のあかりは、海外ロマンス小説の翻訳者。
海外ロマンス小説の魅力を分析するあたりに、著者自身の感性のよさを感じる。
そんな主人公自身の恋愛に対する戸惑いも等身大でいい。家族との会話の応酬もいい。
夢見る年頃を過ぎ、純粋な思い込みだけの恋ができなくなったら、どうやって愛を知るのか。
ちょっぴり、身につまされちゃうぐらい、共感をもって読んだ。
角川書店 エ620円