『全てでたらめのようで、一番真実に近い作品です。』
ずいぶん、酷評が多いんですね。
私はリリーさんは「東京タワー」以前の
ananによくコラムを書いてた時から核心ついたコメントの
ファンなので、この短編もとっても、胸にくるものがありました。
「大麻農家の花嫁」が特に気に入ってます。
「おさびし島」も含め、都会での生活に疲れて、もしくははみだして
しまった人たちの物語です。
読了後、癒されるとか、清涼感が・・・っていう世界じゃありません。
けれども、ある種のきつい刺激は、くるんじゃないでしょうか?
「東京タワー」のお涙ちょうだいものが好きで、
これも・・・と思って、読むのは間違ってます。
きわめて、ブラックで、品がなく、嫌いな人は嫌いでしょうね。
「増量・誰も知らない名言集」あたりが好きだ!という
方は、これもすんなり受け入れてもらえるのだと思います。
90%品がなく、どうしようもなくても、
残りの10%に、本物のエッセンスがぎゅっと凝縮されている
彼の心意気を感じられる作品です。
幻冬舎 エ1,470円