『佐内氏の写真と一体化している完成した文章。』なにしろ佐内氏の写真もとても素晴らしい。その写真たちと、角田氏の文章が一体化して初めて「物語」として完成しているように思える。東京の写真が、切ないポツリポツリとした想いを綴る文章とで、胸に迫る。
それは、この大きいようで実はちっぽけな、何でもあるようで無いような「東京」という町の中に、小さい自分と自分の愛する誰かが確かに存在してるんだっていう小さい事実が、大切な事実であるように、胸に迫るのだ。 実業之日本社 エ円