『ちょっと盛り込みすぎな印象を受けました。』
はじめのあたりは、すごくおもしろく読めたのですが、ストーリーが進むにつれ、
だんだんついていけなくなってしまいました。
舞台である沖縄の描写、主人公であるハーフの女子高生デニス、
そして彼女の守護霊チルー……これだけでも十分個性的なのに、
次から次へと特殊な設定のキャラクターがバンバン出てきたり、
世界観も沖縄だったりインドだったりキリスト教の言葉が用いられたりと、
あまりにもいろんな要素が盛り込まれすぎているような印象を受けました。
沖縄はそういう文化の混在したところなのだ、と言われればそれまでなのですが、
できれば、デニスとチルー以外のキャラクターはひかえめな感じにしてほしかったです。
脇役のサマンサなどもキャラとしては悪くはないのですが、
物語の世界観からどうしても浮いているように見えました。SFアニメの「AKIRA」に、
萌えアニメ系の美少女が出ているような、そういう違和感があるのです。
文藝春秋 エ円