『テーマに秘められた想いとは…』
平和な日本社会に危機感を与えるために作られた作品なのだろうか。
なかなかユニークなストーリーではあったが、
現実離れし過ぎている感があって、
気持ちがなかなか入っていかなかった。
我々は死があるから懸命に生きようとするのか、
それとも生きる結果として死を受け入れているのだろうか。
現代人にはどちらもピンとこないのが正直なところだと思う。
それでも、家族や知人、ペットなど、
人間は自分の周りから命が奪われた時には死について想いを馳せる。
誰にもやがて静かに、または突然に死が訪れるのだ。
死があるから生の意味が出てくると考えたい気持ちはわかる。
ただ、我々人間は忘れる生き物で、
常にそのような思想を頭の中にとどめておくことはできない。
映画や小説には、やがて失われる命にまつわる想いを
喚起させる機能もあるのだと、この作品を鑑賞してそう思った。
東宝 エ3,168円