『対象は大人。』
東野圭吾作の絵本という、意外な組み合わせに興味を持って手に取りました。
表向きは、サンタクロース業界に女性の新規参入が図られたことから、
サンタクロース会議が紛糾、でも結局女性サンタが誕生!というシンプルなストーリーです。
しかし、主にサンタクロース会議での議論という形で、
男女差別を筆頭とする我々の固定観念につき再考を促すと共に、
家族問題も終盤に温かく描かれています。
わずか70ページ弱で1時間もあれば読み切れるし、
単行本サイズでルビも振っていないことからも、
明らかに大人に対するメッセージを込めた1冊だと考えます。
これからのシーズンにぴったりでもあります(08年12月2日記)。
文藝春秋 エ1,400円