『「純粋に」推理だけを楽しむ』
東野圭吾はきっと、推理小説を書くのが3度の飯より好きに違いない。
仕事と割り切って書く人との対極にいるに違いない。
そんな気がする。
ガリレオシリーズを読んだときもそうだったが、この「ある閉ざされた雪の山荘で」を読んで確信した。
いったい誰が犯人なのか、とても気になる。
でもそれだけなのだ。なぜそんな犯行を企てたのか? そのための準備は?
そういった部分の描写にはまったく心を配っていないのだ。
「純粋に」推理小説を楽しむには、うってつけの本だ。
講談社 エ560円