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『有川浩の「ヒトモドキ」のパワフルな面白さにやられました』
文庫化された【面白いお話、売ります】シリーズ第1弾もそうでしたが、収録された読み切り小説のなかでは、有川 浩(ありかわ ひろ)の読みごたえが抜群。ぐいぐい引き込まれました。
「ヒトモドキ」というタイトルの、超・気持ち悪いグロテスクな逸品。語り手の伯母さんが、その「ヒトモドキ」って人の皮かぶった怪物として描かれていくんですけどね。彼女の自己チューな理屈、非常識な行動、迷惑かけまくりの言動に、ぞわぞわと鳥肌が立ちました。柴田よしきの短篇「隠されていたもの」(日本推理作家協会編『不思議の足跡』所収)に登場する人物が、脳裏をよぎりました。でも、有川浩の「ヒトモドキ」のほうがインパクト、強烈っすね。ぐいぐいと、話の中に引きずり込まれてしまった。
ほかの収録作品は、次のとおり。
沢木耕太郎「マリーとメアリー ポーカー・フェース」
伊坂幸太郎「合コンの話」
近藤史恵「レミング」
米澤穂信「リカーシブル――リブート」
佐藤友哉「444のイッペン」
本多孝好「日曜日のヤドカリ」
新潮社 円